あの頃の広告には、愛があったな。

あの名作コピーを、もう一度

広告は、時代の空気です。

その構成比は、景気であり、みんなの気分であり、文化指数も含まれているようです。

それを察知し、いち早く表現するのは、広告の特性であり、最も得意とするところです。 不況が叫ばれて久しい日本ですが、 かつてわたしたちの国が潤っていた頃、 広告がとびっきり元気な時代がありました。

それは、現在の広告が劣っているという訳ではありません。

広告は、いわばナマモノ。表現やその手法も刻一刻と変化し続けるものです。 しかし、振り返れば、70年代、80年代の日本にはすばらしくパワフルな広告たちが、 きら星のごとく輝いていました。

広告って、流れ星です。輝いて、そして消えてゆく…

しかし、それらを歴史に埋もれさせてしまうのは、何とも惜しいこと。

こうした想いが原動力となり、このサイトは生まれました。

当時の広告のことに想いを馳せながら、 心に残るキャッチコピーを独断と偏見でセレクトしてみました。

広告のレビューや感想も掲載しています。ご堪能いただければ幸いです。

恋は、遠い日の花火ではない。

恋は遠い日の花火ではない。

1950年に発売されたウイスキー・オールド。 一時は一世を風靡した嗜好の定番だが、90年代に入ると勢いも衰え、 挽回の策を一身に担ったのがこのCM。 ターゲットは、言わずと知れた中高年だが、 「あなた、まだまだこれからで・・・

想像力と数百円

想像力と数百円

文庫本の宣伝って、新潮社が初めてじゃないだろうか。 出版系って、広告業界を少し見下していた感がありますから… 当時の文庫本の値段は、せいぜい500~600円くらい。で、 あと想像力があれば、世界の果てまで出かけられる。 ・・・

そうだ 京都、行こう。

そうだ 京都、行こう。

JR各社とも、広告には定評がある。 なかでも不滅の人気を誇るのが、コレでした。 京都、行こう。とか京都へ行こう。なら、誰でも思いつきそうですが、 そうだ、という このひと言を入れるセンスが、このコピーの肝。コピーが動いて・・・

触ってごらん、ウールだよ。

触ってごらん、 ウールだよ。

このコピーは、あまりにも有名ですね。 ウールの良さを端的に言いあらわした卓越のことばです。 繊維は肌触りでその良さが分かるから、そこをグダグダいわず、 触ってごらん、とくる。言い方もやさしい。それでいて、直接的。 すっと・・・

すこし愛して、なが~く愛して。

すこし愛して、ながく愛して。

愛の総量は決まっているかのようだ。だから、愛は 大晦日に食べる蕎麦のように、細く永く生きられますようにと同じく 小出しにする?いや、そうではなく、永遠に愛が続きますようにと、 しとやかな女性の真心が伝わる素敵な仕上がりと・・・

きれいなおねえさんは、好きですか

ドキッとする問いかけである。きれいなおねえさんって、 姉ですか、いえ、年上の女性のことですかね? 水野眞紀や松嶋菜々子を起用し、訳あり気な目つきで コチラを見る仕草が、このコピーと相まって印象的でした。 それは、好きです・・・

ウイスキーも音楽もなかったら、心がグジャグジャになるなあ。

想像力と数百円

酒と音楽を愛する人は多い。しかし、このふたつは、 生きてゆく必需品からかぞえると、きっと下位に位置するであろう。 これが或る人にとって、実は最優先されるものなのだ。 だって心の時代だもの。これはいまも通用します。

春 なのに コスモス みたい

コスモスは、秋の花。が、春のキャンペーンである。 口紅の色って、きっと花の色のようだったら綺麗だろうな… それが秋色コスモスでした。ちょっと不思議なミスマッチが、 商品をより魅力的に際立たせています。

時代なんかパッと変わる。

明治維新から敗戦、バブル崩壊、そして震災と、 私たち日本人は、価値観がガラッと変わるような時代を経験しています。 世の総てのものごと、事象は永遠ではなく、必ず変化するもの… このコピーは、日本がバブルの絶頂期に、鬼才・秋・・・

ただ一度のものが、僕は好きだ。

甲子園で白線を引く人を真上から撮った写真に、 上のコピーが添えられる。二度とない瞬間を捉える… この商品のもつ力を最大限に引き出した、秀逸の作品。 このコピーは、更に人の月日、時の流れというものまで 想像させるから、文学・・・

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